日本の国土『竹島』は、南鮮もしくは下朝鮮(大韓民国)の武力によって、奪われたままになっています
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島根県・竹島(韓国名・独島)周辺の海底で、同島を実効支配する韓国が堆積物採取などの調査を行っていたことが、最近発表された研究論文で19日までに分かった。研究は韓国政府が予算を計上、韓国国立の研究機関の関係者も執筆者に名を連ねている。日本政府は国連海洋法条約上の「無断調査」にあたり、認められないとしている。
菅義偉官房長官は19日の記者会見で、外交ルートを通じ「わが国の領海および排他的経済水域(EEZ)で、事前同意がない中で科学的調査を行ったのであれば受け入れられないと強く抗議した」と述べた。
竹島問題の早期解決を求める東京集会が開催
11月21日、国会議事堂に隣接する憲政記念館で、超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」と「竹島・北方領土返還要求運動島根県民会議」主催による、竹島問題の早期解決を求める集会が開催され、政府関係者・政党関係者・地方自治体などから約400人が出席した。
超党派議連の会長を務める自民党の新藤義孝元総務相は、明確に日本固有の領土である竹島に韓国の国会議員13人が不法上陸した事案について、上陸した議員に議連が送付した、「竹島を韓国の領土と主張する歴史的、地理的、法的根拠」を問いただす公開質問状への回答を求め、日韓で竹島問題について協議する場を設けることも改めて呼びかけた。
「私たちは強い怒りを持って抗議し、なぜそんなことをやったのか。是非韓国の国会議員にみなさんにお話を伺おうではないか」
さらに新藤氏は「韓国は100万年経っても隣の国なんです。隣の国と仲良くすることが両国の発展と安全につながることは紛れもない事実です。だからこそしっかりと話し合いをして決着をつけて、その上で真の信頼関係を作っていく」と訴える一方、「こういったことを蔑ろにしながら一方的な不法占拠を繰り返し、独善的な行動をするのであれば、厳しく対峙しなくてはなりません」と韓国側をけん制した。
集会には、政府から左藤内閣府副大臣が出席したほか、自民、公明、立憲民主、国民民主など各党の議員も顔を揃え、竹島問題の早期解決に向けて気勢を上げた。しかし、集会で最も注目に値したのは、島根県の竹島問題研究会の座長で、この問題に長く取り組んできた拓殖大学の下條正男教授の講演だった。
「日本は竹島を領土問題、韓国は歴史問題と捉えている」
下條教授は冒頭に「今、国会議員の先生方がお話されていたことを、韓国語に翻訳すると全部韓国側の主張になる。同じことを言いながら接点がないのは非常に大きな問題だ。そういった中で被害を受けるのは地方の国民だけだ」と各政党の議員たちに釘を刺した。
その上で、韓国が「東北アジア歴史財団」などの研究機関を国策として立ち上げ、竹島問題に取り組んでいることを説明し、「そういう研究機関は日本にはない。研究機関がないから、政権が変わるたびに主張が変わってくる。こういった日本の国の在り方に問題がある」と指摘した。
さらに下條氏は「韓国側は竹島を歴史問題と捉え、日本側は領土問題と捉えている。韓国側は東北アジア歴史財団を作って2006年からこういう問題を取り上げた。竹島だけでなくて、慰安婦問題、靖国問題、教科書問題、全てを担当している、つまり総合的な戦略を立てている。そして対外広報もずっとしている」と述べ、韓国側がいかに戦略的にこの問題に取り組んでいるか強調した。
そして下條氏は、韓国が青少年向けに設立した『独島体験館』に行った際の体験を元に、日本と韓国での、竹島問題に関する教育面での浸透の違いにも警鐘を鳴らした。
「(独島体験館では)小学校5年生と中学生が子どもたちに説明をしている。東北アジア歴史財団では、副教材を作って、年間10時間くらい竹島を教えている。そういうことを学んだ子どもが「竹島は韓国領だ」と教えている。日本領じゃなくて韓国領と説得するためにやっているのが、韓国側の竹島教育です。日本がどんな展示館を作ってもほとんど役に立たない。体験館は韓国で13か所作っている。こういう現実を理解するべきだ」
「喧嘩ができないのに、喧嘩しようとしている」
また下條氏は、今回の集会に合わせて、島根県と共同で韓国側の主張に対する反論本を作成したことを踏まえ、島根県などが必死の取り組みを行っている一方で、政府側の支援が少ないのではないかと疑問を呈した。
「喧嘩ができないのに喧嘩しようとしている。勝てるんですか?韓国側は戦略的な対外広報活動をしていて、民間団体も政府からお金をもらいながら活動している。でも島根県は年間3000万円しか(予算が)ない。それで色々なことをしていかないといけない。」
「なんで島根県が外務省の尻ぬぐいをしなければいけないのか。外務省が反論できない、しない。外務省の責任ではないんです。外務省にはそういう部署がないから無理なんです。無理な要求を外務省にするから、もっと外務省は困る。そう考えていくと、日本の国の在り方にもう一度考え直さないといけないところがあるんではないか、(日本には)持続的な対応が不在だという事を理解していかなければいけない」
さらに、日本が竹島の領有を主張する上では、強硬に訴えるだけではなく、戦略的なアピールの仕方が求められると指摘した。
「韓国の研究者の中にも竹島は日本領だと思っている人が結構いるんですね。ただ、世の中、社会の雰囲気があまりに一方に偏っているので、意見が言えない状況であるんです。我々が強く出ると、韓国側も強く出ざるをえないので、竹島は日本領だと思っている人たちの肩身が狭くなってしまっている現状です。韓国側との話し合いの仕方、外交の仕方、広報の仕方をもう一度考え直していかなければいけないところにきている」
「一歩前進、二歩後退」下條教授の無念と悲痛
集会では最終的に、竹島に上陸した韓国の国会議員に対して抗議し、竹島の不法占拠を「容認も看過もしない」とした上で、「『竹島の日』を閣議決定する」ことや、「政府主催による『竹島の日』式典の開催と総理大臣の出席」「国の研究機関の設置」などを盛り込んだ特別決議を採択した。
新藤氏は「下條先生の話は本当に忸怩たる思い。私たちは申し訳ない思いがあります。本人は辞めさせてくれといっているが、真逆でありまして、そういうこと言わないといけないくらい苦労しているという受け止めです」として、下條氏に謝意を示した。
そして新藤氏は「大事なことは何よりも竹島問題の本質は何なのか。日本と韓国の見解の違いは何なのか?それをきちんと広く知って頂くことが大事だ」とした上で、2011年の東日本大震災の混乱に乗じて、竹島へのヘリポート建設が行われたこと、韓国が竹島に海洋科学基地の建設計画を進めていることを踏まえ、「もしこのような大規模な施設の改修や、新たな竹島の形状の変更があったら、日本は今までとは次元の違う行動をしなければならなくなる」と韓国側の動きをけん制した。
下條氏が訴えたように、日本は戦略的にこの竹島問題を含む諸問題に対応していくことが今後できるのだろうか。個人で戦い続ける人たちの負担が限界を迎えつつある中で、政府はその悲痛な訴えにどう答えていくのか。今後のこの問題への取り組み方が問われた集会であったと感じた。
韓国外務省報道官は21日、日本の超党派議員が島根県竹島の領有権をめぐる問題の早期解決を求める集会を開催したことについて「わが領土である独島(竹島の韓国名)へのでたらめな主張を諦めていない」と非難、「強力に抗議する」と述べた。
また、韓国外務省は同日、日本大使館の水嶋光一総括公使を呼んで抗議した。
菅義偉官房長官は14日の記者会見で、韓国が竹島(島根県隠岐の島町)周辺の日本の領海や排他的経済水域(EEZ)で無人観測機器を使った海洋調査を昨年3〜11月に行い、国立海洋調査院が10日付の報告書で公表したとの報道に関し「(報告書の)発表を受け、わが国の事前の同意なく調査を行うのであれば全く受け入れられない。その旨を強く抗議を行っている」と述べた。抗議は13日に外務省から在日韓国大使館に行った。
菅氏は韓国が日本の領海やEEZ内で無許可の調査を行っていることについて「把握するたびに、わが国として韓国側に強く抗議している」と述べ、昨年11月28日にも抗議したことを明らかにした。
政府は20日の閣議で、政府による「竹島の日」の制定について「過去の検討状況も含め、内容を明らかにすることは、竹島問題への今後の対応に支障を来す恐れがある」として回答を控える旨の答弁書を決定した。
立憲民主党の亀井亜紀子衆院議員が制定を求める立場から提出した質問主意書に答えた。
竹島の日は島根県が条例で2月22日と定め、2006年から毎年記念式典を開催している。政府は13年の答弁書で、亀井氏の「『北方領土の日』と同様、『竹島の日』を制定する考えはないか」との質問に対し、「ご指摘のような方策を含め、不断に検討していく」と回答していた。
河野太郎外相は20日午前の記者会見で、韓国軍が竹島(島根県隠岐の島町)を「防衛」するための海兵隊部隊創設を進めていることに怒りを爆発させた。
河野氏は外務省が韓国政府に強く抗議したことを明らかにした上で、緊迫度を増す北朝鮮情勢を念頭に「こういう安全保障状況の中、日米韓3カ国が未来志向で関係性を強めていかなければいけないときに、それに逆行することだ」と韓国政府を批判。
その上で、「先般の日米韓外務次官会議でも連携強化の重要性を協議し、合意している。この事態にあって、日米韓の連携を強めていきたい」と述べた。
島根県隠岐の島町の竹島の地図について、国土地理院は、明治期や昭和初期に漁師らが使っていた地名11か所の表記を新たに盛り込んだ。
隠岐の島町からの申請を受け、今月1日に更新した。竹島の地図が改訂されるのは10年ぶり。
国土地理院は2004年の町村合併で隠岐の島町が誕生したのに伴い、07年に2万5000分の1の竹島の地形図を初めて作製した。当時、記載された地名は「西島」と「東島」だけで、ホームページ上の電子地図でも二つの名称しか表示されていなかった。
隠岐の島町などが12年以降、漁師の子孫らに聞き取り調査を行ったところ、「沖の島(沖の平島(ひらじま))」や「五徳島(ごとくじま)(洞岩(どういわ))」など9か所の岩や湾の名称が判明。国土地理院は自治体の申請に基づいて地図を見直しており、町は3月21日、西島の別名「男島(おじま)」、東島の別名「女島(めじま)」と合わせて地名表記の更新を求めていた。
島根県が竹島(隠岐の島町)の領有権確立を目指し、条例で定めた「竹島の日」の12回目の記念式典が22日、県などの主催により松江市内で開かれた。
式典には政府代表として内閣府の務台俊介政務官が出席。政務官の出席は2013年から5年連続で、韓国の反発も予想される。
式典には国会議員や県議会議員、県民ら約500人が参加する予定。務台政務官の他、溝口善兵衛県知事や、地元選出の細田博之自民党総務会長らがあいさつする。有識者による講演もある。
内閣官房領土・主権対策企画調整室と島根県、同県隠岐の島町は、竹島についての啓発ポスターを作成した。県が2月22日と定めている「竹島の日」を前に、全国に配布して竹島問題への関心を高めたい考え。三者が共同でポスターを作ったのは初めてという。
竹島をめぐっては今年に入り、領有権を主張する韓国・慶尚北道の金寛容知事が上陸。同国内では慰安婦を象徴する少女像を島に設置する動きも出た。
ポスターには竹島の全体写真と日本との位置関係を掲載。「2月22日は竹島の日」「日本の固有の領土であることは明らか」「この問題の平和的解決を目指す」などの文言も盛り込んだ。
県竹島対策室によると、ポスターは約5000部製作。費用は内閣官房と県が負担した。全国の都道府県と市町村、教育委員会に配布しており、竹島の日に合わせて各地の庁舎など公共施設で掲示してもらう。
2018年平昌五輪の組織委員会のホームページ(HP)に、日韓両国が領有権を主張する竹島が韓国名の「独島」と記載されていることについて、日本オリンピック委員会(JOC)が国際オリンピック委員会(IOC)と韓国オリンピック委員会(KOC)にHPの修正を申し入れたことが21日、分かった。
五輪憲章は試合会場などでの政治的な宣伝活動は認めていない。JOCは「五輪憲章に抵触する恐れがある」として19日に両委員会に文書で修正を申し入れた。
第11管区海上保安本部(那覇市)は10日、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を中国公船4隻が航行している(午後7時現在)と明らかにした。
10日午前9時現在では10隻が航行していたが、7隻はその後に同水域を出て、別の1隻が新たに同水域内に入ったという。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は同日、在日中国大使館の郭燕公使に抗議した。抗議は6日連続となる。
金杉氏は、中国公船の即時退去を要求したほか、9日午前から10日未明にかけて、尖閣周辺の排他的経済水域(EEZ)で中国公船が乗組員を中国漁船に乗り込ませたことについての説明も求め、「当該海域で中国による漁業に関する管轄権の行使は認めていない」と強く抗議した。
島根県などは22日、条例で定める「竹島の日」に合わせ、松江市で記念式典を開いた。政府からは酒井庸行・内閣府政務官が出席し、「竹島は歴史的事実に照らしても国際法上も我が国固有の領土。冷静かつ平和的に解決するため全力で取り組む」と述べた。
式典は11回目で政務官の出席は4回連続。与野党の国会議員12人や一般参加者ら計460人が参加した。溝口善兵衛知事は「昨年11月に日韓首脳会談が開催され、日韓関係に若干の変化が出てきた。政府には外交交渉で竹島問題が話し合われるよう強く要望する」とあいさつした。
式典前には超党派の島根県議らが「竹島問題を語る国民交流会」を初めて開催。会場周辺では日韓両国の団体などが街宣活動したが、けが人などの混乱はなかった。
竹島(島根県隠岐の島町)は日本政府が1905年に日本領に編入し、県が同年2月22日に告示した。【曽根田和久、山田英之】
◇
菅義偉官房長官は22日の記者会見で、島根県の定めた「竹島の日」に対し韓国で反発の声が上がっていることについて、「韓国側に『受け入れられないものは受け入れられない』としっかり伝え、大局的観点から冷静に粘り強く対応していきたい」と述べた。
政府は22日、松江市で開かれた島根県主催の「竹島の日」記念式典に、領土問題担当の酒井庸行(やすゆき)内閣府政務官を派遣した。
政務官の出席は4年連続で、韓国は反発している。日韓関係は昨年末の慰安婦問題の合意以降、改善しつつあるが、政府は竹島の領有権の主張については妥協しない方針だ。
酒井氏は式典で、「韓国は最も重要な隣国だが、竹島問題は引き続き日本の主張を伝え、粘り強く対応していく」と述べた。菅官房長官も22日の記者会見で、韓国の反発を踏まえ「受け入れられないものは、受け入れられないとしっかり伝える」と強調した。
政務官の派遣は、2012年の李明博(イミョンバク)大統領(当時)の竹島上陸に対抗し、13年の式典から始まった。竹島は韓国の不法占拠が続いており、日本の領有権を国内外に発信する狙いがある。一方、島根県が求める閣僚などへの出席者の格上げは見送り、韓国にも一定の配慮を示した。
菅官房長官は、6日に公表された中学校の教科書検定について、韓国政府から抗議を受けたことに対し、「受け入れられない」と伝えたことを明らかにしました。
「竹島や歴史認識について、わが国の立場は今まで一貫しておりますので、韓国側の抗議に対して、わが方からは抗議は受け入れられない、こういう旨を応答いたしております」(菅官房長官)
今回の検定では、来年春から使われる中学校の歴史・地理・公民の全ての教科書に竹島に関する記述が盛り込まれ、韓国政府は、「日本政府は、韓国固有の領土である独島(ドクト)について不当な主張を強化し、歴史的事実をわい曲している」などと強く反発し、日本側に抗議しました。
これに対し菅官房長官は会見で、「教科書検定は民間の発行者が著作編集した図書について、学習指導要領に基づいて教科書図書検定調査審議会の専門的、学術的な審議にもとづいて、公正中立に行われるものだ」とした上で、韓国側に対し、「抗議は受け入れられない」と伝えたことを明らかにしました。
文部科学省は6日、2016年度から中学生が使用する教科書の検定結果を公表した。歴史や領土問題について政府の統一見解を反映させるよう求めた新たな検定基準が初適用された。竹島と尖閣諸島については学習指導要領の解説書に盛り込まれたため、初めて社会科の全ての教科書に関連する記述が載った。
「脱ゆとり」と呼ばれる新学習指導要領になって2度目の検定で、ページ数は全教科でさらに増え、平成に入って最多。東日本大震災や東京電力福島第1原発事故について詳述したほか、20年の東京五輪・パラリンピックやインターネット交流サイト(SNS)を取り上げた教科書も多かった。
申請があった104点中102点が合格。社会の歴史的分野で、2社の2点が不正確な記述や内容の偏りを理由に不合格とされ、再申請後の再検定で合格した。
14年1月改定の検定基準は、領土や歴史などで異なる見解がある事象については、通説がないことや政府の統一見解を明記するよう規定。これに基づく検定意見は6件で、戦後処理や「植民地支配と侵略」を謝罪した村山談話に触れた教科書の記述に、「政府は国家間の賠償などの問題はすでに解決済みという立場をとってきています」の一文が追加されるなどした。
現行の社会の教科書18点中、竹島に触れているのは11点、尖閣諸島は9点だが、今回の申請では18点全てが両方を掲載。歴史的経緯を説明したり現在の情勢に触れたりし、記述の分量も倍増した。
2月22日は、島根県が条例で定めた「竹島の日」。松江市では、県主催の10回目の記念式典が開かれた。
竹島の日は、韓国が実効支配している日本海の竹島の領土権確立を訴えるため、10年前、島根県が条例で定め、毎年この日に、県主催の記念式典が開かれている。
領土問題を担当する内閣府・松本洋平政務官は、「わが国の領土・領海・領空を断固として守るとの決意の下、竹島問題を法にのっとり、冷静かつ平和的に解決するために、全力で取り組んでまいります」と述べた。
22日の式典には、領土問題を担当する松本内閣府政務官が出席した。
政務官出席は、3年連続だが、関係閣僚の出席は、2015年も見送られた。
2015年は日韓国交正常化50周年にあたる。だが、新年早々島根県の竹島(韓国名・独島)をめぐる問題が火種になりそうだ。日本政府がユーチューブに公開した動画を韓国側が「重大な挑発」だとして、日本側に抗議をしているためだ。
動画は、竹島の自然をテーマにした絵本の作者がその内容を読み聞かせるという内容。大半が穏やかな内容だが、小学生を対象にしている点を韓国側が警戒したのか、「とんでもない領有権主張を含んでいる」と反発している。
■小学生に「夏休みの自由研究にもなるよ!」とアピール
聯合ニュースやSBSテレビによると、韓国外交部の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は1月6日の定例会見で、
「韓日国交正常化50周年を迎える時期に、日本政府が私たちの固有の領土である独島について、とんでもない領有権主張を含んだ動画を公開することで重大な挑発をした。これを即刻中断することを厳重に促す」
と述べ、動画の公開中止を求めた。1月5日には日本大使館関係者を呼んで抗議したという。
韓国側が問題視している動画は日本政府の内閣官房「領土・主権対策企画調整室」が制作し、2014年12月24日にユーチューブにアップロードされた。翌12月25日にはウェブサイトからもリンクされた。動画の長さは約17分。竹島にいたニホンアシカと、島根県の隠岐島民の交流を描いた絵本「メチのいた島―語り伝える恵み豊かな島 竹島」(山陰中央新報社)を、作者の杉原由美子さんが小学生に向けて読み聞かせるという内容だ。
島根県の「竹島資料室」では、夏休み期間に杉原さんによる「絵本を読む会」を開催。小学生が対象で、募集チラシでは「夏休みの自由研究にもなるよ!」とうたっていた。こういった読み聞かせを動画に収録したようだ。
「韓国が李承晩ラインという線を海に引いてしまい、近寄ってはいけない島に」
杉原さんは、漁民がアシカと仲良くしている絵を示しながら、
「こんな世界が、80年ぐらい前に実際にあったんですね。すごいと思いますね。やってみたいよね?」
などと語りかけ、竹島を韓国が不法占拠している現状にも触れた。
「ところが、そんな豊かな恵みの島、竹島に、近寄ることもできなくなりました。昭和16年に太平洋戦争が始まり、危険なため竹島での漁はできなくなりました。また、昭和27年には、韓国が李承晩ラインという線を海に引いてしまい、近寄ってはいけない島になってしまいました。今も、近寄ることはできません」
読み聞かせは、「日本の竹島が...」と、日本の領有権を主張して締めくくられる。
「竹島は、今も日本固有の領土です。メチ(編注:ニホンアシカの現地での呼び名)と遊んだ子どもたちは、大人になったら竹島で漁をしたいという夢を持っていました。江戸時代から日本人が竹島で漁をしていました。また、竹島は一度も他の国の領土であったことがない島です。大人になった今も、久見(編注:隠岐郡隠岐の島町の地名)の漁師さんたちは遠く竹島の方を見つめながら、漁に行けるようになる日が来ることを願っています。(絵を示しながら)これは、今の久見地区の様子です。波の向こうで、日本の竹島が、今日も私たちを待っています」
小学生を対象にした点を特に問題視
魯報道官は、動画が小学生を対象にしている点を特に問題視しているようだ。
「特に、歪曲された歴史が収録されている動画が小学生を含む未来を担う若い世代を対象にしていることが、さらに大きな懸念材料だ。国際社会で正しい歴史教育が求められていることにも反しており、日本の未来のためにも不幸なことだ」
韓国側がここまで強く反発する背景には、そもそも韓国側が竹島問題に対する態度を硬化させていることがありそうだ。1月6日に韓国の国防省が発表した国防白書では、日本の竹島ついての領有権の主張を「両国関係の未来志向的な発展に対する障害要素」だとして「厳重に対処していく」とうたっている。12年の白書では、日本側の領有権主張について「両国国防交流協力の未来志向的な発展のために克服しなければならない要素として残っている」と表現するにとどめていた。
動画は現時点では1万6000回程度再生されており、コメント欄では日本語と韓国語で互いの主張を罵倒し合う状態が続いている。日本語のコメントの中には、再生回数の少なさを批判する声も目立つ。
韓国外交省は5日、日本政府が2014年版の防衛白書に、島根県・竹島を「我が国固有の領土」と明記したことについて、「不当な主張で容認できない」として撤回を求める声明を発表した。
韓国国防省報道官も5日、在韓日本大使館の防衛駐在官を呼んで抗議し、「強い遺憾」を表明したことを明らかにした。
政府は沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島に関する情報発信の強化を狙い、全国に点在する関連文献などの資料を目録にした上で電子化し、インターネット上で公開するための作業に入った。領有権を主張する中国や韓国への対抗策の一環で、来年3月までに、内閣官房領土対策室のサイトでの公開を目指す。
政府はすでに動画投稿サイト「ユーチューブ」を利用して、領土問題に対する日本の立場をアピールしている。今回、領土関連の資料を一括してネット上にまとめることで、内外の研究者らが利用しやすい環境を整える。
資料の選定や公開方法に関しては、大学教授らによる有識者懇談会を通じて検討する。また、全国に眠る領土に関する歴史的資料を掘り起こすため、シンクタンクに調査を依頼。発掘された資料は島根、沖縄両県とも情報共有し、既存資料と合わせて目録にまとめる。
政府は日本の文学や自然科学、技術力などに関する書籍の英訳を国費で支援し、海外に発信する事業に乗り出す。安倍政権が重要課題に位置づける対外広報強化の一環。翻訳対象を選ぶ有識者による委員会を設置し、約8000万円かけて今後数十〜100冊程度を翻訳し、海外の研究機関や図書館などに提供する。
民間では採算がとれない英訳費用を国が負担し、日本の魅力の発信につなげる考え。首相官邸で23日にあった選定委員会の初回会合で、世耕弘成官房副長官は「日本に対する理解向上に向けた国際広報の強化は政権にとって重要な課題。日本には文化だけでなく、自然科学や技術力などさまざまなよさがあるので、それらを紹介する幅広い分野の書籍を選定したい」と述べ、外交、文学、自然科学、図書館学などの有識者7人に協力を求めた。
対象とする書籍は、分野を限定せず、専門書から一般書まで幅広く委員に推薦してもらい、今後約1カ月で選定を終える。
対外広報に力を入れる背景には、歴史認識などを巡り日本を批判する中国や韓国が海外世論への働きかけを強めている事情がある。領有権問題などでは反論の広報にも乗り出しているが、「日本の魅力を伝え切れていない」(政府関係者)との認識から翻訳事業による前向きな広報戦略を展開する。
中国の対外広報予算は数千億円とも言われる。日本は資金量では太刀打ちできないが、翻訳など地道な活動を通して日本への正確な理解を広め、外国人観光客増にもつなげたい考えだ。【村尾哲】
政府は、竹島(島根県隠岐の島町)が日本固有の領土であることを示す資料の調査に乗り出す。
終戦直後まで竹島周辺での漁業拠点だった隠岐諸島の住民らの証言も映像で保存し、政府のホームページでの公開を目指す。
政府の調査は、1952年に韓国の李承晩(イスンマン)大統領(当時)が「李承晩ライン」を設定し、竹島の領有権を主張して以降、初めて。
島根県が設置する竹島問題研究会は今年、▽漁師が残した日誌や漁具▽政府が竹島のリン鉱石試掘権を住民に与え、課税したことを示す公文書▽竹島最古(明治時代)の写真――などを相次いで確認している。
政府は、これらの資料が日本の領有権が竹島に及んでいたことを示すものと評価。散逸させないため、一元管理するとともに、新たな資料や証言をまとめることにした。
韓国が不法占拠している竹島(島根県隠岐の島町)を島根県が明治39年に撮影した最古とされる写真2点が、松江市内で印画紙の状態で見つかった。明治、昭和の文献には掲載されていたが“原本”が発見されたのは初めて。確認した竹島問題研究会(座長・下條正男拓殖大教授)は、島根県が38年の領土編入後に行政権を行使していた証拠の一つとして「竹島が日本領であることを補強する貴重な資料」と話している。
見つかったのは、船上から竹島の北西側から南東方向に撮影したとみられる写真で今月、古い絵はがきなどの販売を手がける「今岡ガクブチ店」(松江市)に所蔵されていた写真の中から研究会のメンバーが確認した。
同じ時期の調査で、県立図書館(同市)にも同じ写真が所蔵されていたことも分かった。
文献などをもとに調べたところ、写真は39年3月、島根県幹部の神西由太郎(じんざいよしたろう)を団長に総勢45人で実施した竹島視察で、研究会は大野写真館(松江市)の大野政助(まさすけ)が撮影したと判断した。竹島に近づき、島に穴が開いた「五徳島(ごとくじま)」や直立した岩の「観音岩(かんのんいわ)」に焦点をあてるなど、特徴的な自然地形を撮ろうとした姿勢がうかがえる。
研究会は「写真では、施設などが建つ前の明治39年当時の竹島の原風景を確認できる」とし、「竹島視察は領土編入に伴う実地調査にあたり、竹島を日本領としていたことは明らかだ」と話している。
韓国が不法占拠を続ける竹島(島根県隠岐の島町)について、同県が「日本固有の領土」を主張するさまざまな取り組みに力を入れている。県の竹島問題研究会は今年の「竹島の日」(2月22日)に合わせ、韓国の主張への反論も盛り込んだ啓発本「竹島問題100問100答」を出版。歴史的事実などに裏打ちされた「竹島=日本」の根拠を数々示し、国内で反響を呼んだが、韓国側から反論はなかったという。一方、今年も竹島の日式典に首相の出席が見送られるなど、及び腰に映る国の対応や進展しない現状に地元では不満も強まっている。(坂田弘幸)
■「韓国は勝てないものには反論しない」
「竹島問題100問100答」は、同県が設置し識者らでつくる「竹島問題研究会」が、これまでの研究成果を一般向けに分かりやすくまとめた啓発本だ。韓国側も韓国領有を主張する「独島問題100問100答」を出しており、その主張にも反論する内容に仕立てた。
「竹島問題−」では、島根県が竹島を領土編入した経緯や、昔の絵図や日本地図などに登場する竹島など、日本領有の証拠となる資料の解説などが行われている。また、「韓国の主張に反論する」という章も設け、「日本の竹島領土編入前に韓国が竹島を実効支配した証拠はあるか」「韓国はなぜ日本海を『東海』にしたいのか」など韓国側の主張の説明とその反論にも力を注いだ。
韓国側の主張も意識した内容だけに、反論も予想されたが、同研究会座長の下條正男・拓殖大教授は「韓国側はほとんど反応していない」と現状を語る。さらに、「韓国側の特徴として、勝てないものには反論しない」とし、「韓国側が今後、どこを突いてくるか楽しみ」と余裕も見せた。
国の態度が煮え切らないなか、竹島に対するこうした同県の積極的な情報収集、発信の取り組みは内外に評価されている。
同県で行われている独自の竹島教育で、副教材などの資料を求める声が全国の教育現場などから寄せられているのはその一例だ。
■竹島漁労の実態解明へ
韓国側の反論がほとんど出てこないなか、島根県は今後、明治期における竹島周辺での漁業実態の調査に力を入れる方針だ。同県が竹島を領土に編入した明治38(1905)年より前に、隠岐の住民が竹島周辺で漁業を行っていたことを示すことで、県の竹島編入について「島を強奪した」とする韓国の主張への反論になるとしている。
中でも注目されているのは、隠岐の島町内で「八浦屋(やうらや)」の屋号で活動していたとされる商家。これまで活動の様子がよく分かっていなかった。
同県の竹島編入の経緯については、竹島でアシカを捕っていた地元の水産業者、故中井養三郎(1864〜1934年)が明治37年、アシカの乱獲防止などのため竹島の所属を明確にしたほうがいいと、領土編入を政府に願い出たのがきっかけとされる。
また、竹島問題研究会の住民への聞き取り調査で、中井が竹島漁労に参入する前の明治30年頃、すでに竹島で漁業が行われていた実態が分かっている。
それ以前はどうか。隠岐の島町の八幡昭三さん(85)が、当時の様子を父から聞いていた。「明治20年代後半、隠岐から朝鮮に出かけて貿易する人がいた」「旧五箇村福浦(現隠岐の島町)に『八浦屋』という家があり、朝鮮への行き帰りに竹島でアワビを捕って売っていた」−などと証言している。
研究会は証言の裏付けにあたり、「八浦屋」が「八幡(やわた)」の姓だったことを確認。また、同県浜田市の廻船帳などから八浦屋が明治初期に北前船の廻船業を営み、同20年代後半には竹島でアワビ漁をしていた可能性が高いことも分かった。
研究会の山崎佳子委員は「八浦屋は隠岐の竹島漁労の先駆者。遅くとも明治20年代後半には、竹島は隠岐の漁業者の生活圏となっていた」と話す。
■「竹島の日」に見せた国のあいまい対応に地元は不満
こうした活動が熱を帯びるのも、政府の対応が及び腰に映るからだ。
「(竹島問題に対する国の姿勢について)あまり変化があったと思わない。このままでは、この(『竹島の日』)式典が形骸化してしまう」
竹島のある隠岐の島町の松田和久町長は今年の式典後にこう語り、地元の思いと政府の対応の差にいらだちをみせた。
松江市内で開かれた「竹島の日」式典には約500人が出席。政府は、県が招待状を送った首相や外相らの出席を今年も見送り、昨年に続いて内閣府政務官を派遣した。
「竹島は歴史的事実からも、国際法上も明らかにわが国固有の領土であり、竹島問題の解決は主権に関わる極めて重要な課題だ。竹島は地元の皆さまにとってふるさとであり、生活の一部だ。政府として、竹島に寄せる思いを重く受け止めている」
政府を代表してあいさつした亀岡偉民内閣府政務官は、竹島における国の立場を明言した。
ところが、式典後、報道陣に今後の対応を問われると、「諸般の事情を検討する」などと、あいまいな発言に終始した。
竹島をめぐっては、文部科学省が今年1月、中学、高校の教員向けの学習指導要領解説書改定で「わが国固有の領土」と明記することを決定。式典で、同県の溝口善兵衛知事も「政府が取り組みを強化し、竹島問題をめぐる活動は新しい局面に入った」と、安倍晋三政権の姿勢を評価した。
しかし、式典には首相らの姿はなく、今後の対応についても、しっかりとした道筋は示されないまま。「式典の形骸化」を心配する松田町長の発言は、竹島問題の早期解決を願う地元の声を代弁している。
同県では「竹島問題100問100答」の発行後も、「竹島=日本」の証拠を積極的に集めている。こうした取り組みは、国の煮え切らない態度に対する地元の反動ともいえ、国の奮起を期待してのことでもある。
領土問題に注目が集まる中、竹島と尖閣諸島については小学校の社会科で合格した4社全てが記述し、初めて「日本固有の領土」と明記した社もあった。
小学校の学習指導要領解説書で取り上げるよう示しているのは北方領土のみ。竹島などを取り上げた現行本は1点で、地図中での表記にとどめるケースが多かった。新しい教科書では3社が5、6年のいずれかまたは両方で記述したほか、3、4年でも2社が新たに地図中に表記した。
検定意見では、尖閣について政府が「解決に向けて努力を続けています」とした表現に、「(領有権問題が存在すると)誤解するおそれがある」と指摘、教科書会社が該当部分を削除した。
「固有の領土」は、地図帳1社を含め竹島で4社、尖閣で3社が表記し、竹島は全社が「韓国が不法占拠(占領)」とした。教育出版は、尖閣諸島の周辺海域に中国船が侵入し海洋調査や違法漁業を繰り返しているとした上で、「日本は、海上保安庁などによる警戒や取りしまりを強めたり、中国に抗議をしたりしています」と言及した。
政府は省庁ごとに異なっていた島名のアルファベット表記を原則、英語に統一することを決めた。対外発信強化の一環。外務省が使用する英語表記をもとに、まずは北方四島や尖閣諸島(沖縄県石垣市)など領有権問題を抱える島や国境離島を中心に表記を統一していく。
島名のアルファベット表記は、外務省は英語、地図を発行している国土地理院はローマ字をそれぞれ採用してきた。
政府が昨年4月に設置した「領土・主権をめぐる内外発信に関する有識者懇談会」(座長=西原正平和・安全保障研究所理事長)で、メンバーから、領土問題に関する英語の論文を書く際に「どちらの表記を使えばいいか分からない」との意見や、「外国人が混乱しやすく日本の主張が正しく理解されないのではないか」などの指摘が出ていた。
これを受け、外務省と国土地理院が協議し、政府機関が発行する英語版のパンフレットなどで使用する表記を統一することで合意、外交上定着している外務省の英語表記に合わせることにした。
ロシアが不法占拠する北方四島の択捉島と中国が領有権を主張する尖閣諸島はそれぞれ、国土地理院が使っていた「Etorofu to」「Senkaku syoto」でなく、外務省が使っている「Etorofu Island」「The Senkaku Islands」に表記を統一する。韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)は国土地理院と同じ「Takeshima」を継続する。
国土地理院は18日、ホームページで13島の統一表記を発表した。
国土地理院は今後、英語版地図の発行を検討しており、順次外務省と統一した表記にする。政府は2020年東京五輪を見据え、多くの訪日観光客を呼び込む上でも表記統一は重要とみており、民間の地図製作会社などにも参考にしてもらう考えだ。
江戸時代から戦後にかけて島根県隠岐の島町に住む漁師たちは当時「メチ」と呼ばれたニホンアシカやアワビ、サザエを求めて竹島に向かった。昭和29年6月、韓国政府は竹島に武装した海洋警備隊を上陸させた。不法占拠から60年目を迎える今日も武装要員は居座り続け、竹島と同島周辺12カイリ(約22・2キロ)は日本の漁船が近づけないままとなっている。竹島での漁業に携わった漁師のほとんどが鬼籍に入るなかで一人の女性が遺志を受け継ぎ、地道な活動を続けている。
女性は隠岐の島町に住む元小学校教諭、杉原由美子さん(70)。明治期から昭和にかけて、竹島での漁業の拠点になっていた久見地区に生まれ育った。
東京・多摩地域の小学校教諭として勤務した後、6年前に故郷へ戻った。当時、島根県竹島問題研究顧問だった杉原隆さん(75)から昭和24年に亡くなった祖父・八幡長四郎さんの遺言を聞き、「何かしなくては。絵本で子供たちに竹島のことを知ってもらいたいという思いに駆られた」という。
長四郎さんの遺言は「三家代々受け継いできた竹島の漁業が再び日本人の手に返る時が来たなら、必ず残るものの手で、竹島を乱獲から守るため漁業権を獲得してもらいたい」というものだった。
長四郎さんは戦前、久見地区にあった「竹島漁猟合資会社」の代表だったが、晩年は連合国軍総司令部(GHQ)が設定した通称・マッカーサーラインにより、竹島には日本漁船が近づけない状態となっていた。竹島で漁が再開できると信じていた長四郎さんは、周囲の漁師たちに遺言として、竹島での漁業の将来像を伝えていたのだ。
また、久見地区の集会所で行われた竹島問題を考える集いで、住民の多くが竹島での漁業について、祖父母の世代や親、親戚から聞いた証言を覚えていたことを知り、「これを活かさなければ」と行動を起こした。
平成23年冬、杉原さんは久見地区に住む20人以上の住民を訪ね、動物園へ高値で卸して潤った地区の思い出や漁業の様子の聞き取りを始めた。時代が過ぎ、すでに竹島で直接操業した人はいなくなっていたが、親戚や親から聞いた断片的な証言の数々をつなぎ合わせ、絵本の原作を執筆していった。
そして地元出身のデザイナーに作画を頼み、25年2月に自費出版で絵本「メチのいた島」を完成させた。
「メチって知っていますか?」「メチはとっても賢くて、家に帰ろうとしてもついてきたんだよ」−。
杉原さんは絵本を紙芝居の仕様に拡大し、地元の小学校で読み聞かせをした。「じいさんから『先祖がアシカ採りに行ってた』と聞き、嘘かと思っていたけど、本当だったんだ」。参加した小学生の一人はこう言って、目を輝かせていたという。
50部ほど刷った絵本は島根県内を中心に評判となり、多くの人から「読んでみたい」という声が集まった。これに地元新聞社が応えて紙面連載され、発行も決まった。
関東地方に記録的な寒波が襲い、東京・多摩地方は30センチを超える積雪があった今年2月15日。杉原さんは風邪で熱もあったが、立川市内のホテルから雪をかきわけながら、かつて勤務していた小学校を目指していた。夢だった東京での読み聞かせの集いが迫っていたからだ。
「タクシーをいくら呼んでも電話すらつながらない。もう無我夢中で歩いた」。1時間も雪に埋もれた道を元同僚と急ぎ足で歩いた。何とかたどり着いた小学校には、かつて担任した子供たちの保護者らが集まり、杉原さんの優しい語りかけに耳を傾けた。
「波の向こうで日本の竹島が、きょうも私たちを待っています」。こう最後のページを読んだ杉原さんは、思わず涙ぐんでしまった。
「メチのいた島」を読んで、竹島と隠岐とのかかわりを伝える活動は隠岐諸島の多くの小学校で実施されてきた。だが、都市部では、特に学校現場からなかなか理解が得られない。
自費出版から1年を経て、ようやく”母校”で読み聞かせが実現した。偶然の大雪に見舞われて、来るはずだった子供たちは安全のため参加を見送った。だが、教室からは「大雪が降ったこの日に知った竹島のことは、一生忘れない」と、保護者らから声が挙がり、目頭を押さえる人も少なくなかった。
絵本は今年2月22日の「竹島の日」に、竹島をめぐる歴史や現状の解説などの資料編が追加され、3000部が発行された。
「何とか、多くの人に知ってもらいたい。学校で難しくても、図書館でできるのではないか。難しさは感じるが、糸口はあるはず」と、子供たちへの読み聞かせの機会を探っている。
杉原さんの絵本「メチのいた島」は山陰中央新報社発行、A4変型判、64ページ、本体価格1500円(税別)。注文・問い合わせは同社出版部(電話0852・32・3420)またはホームページhttp://www.sanin-chuo.co.jp/。
韓国が李承晩ラインを設定し一方的に竹島(島根県隠岐の島町)を含む海域の主権を主張した直後の昭和27、28年ごろ、同町の漁師が渡航に使用したとみられる海図が現存することが17日、同県の竹島問題研究会の調査で分かった。李承晩ライン設定後も竹島周辺でしばらく日本人が操業したことは知られているが、直接的な海図の発見は初めて。研究会は「島民に竹島が身近だったことを裏付け、自分たちの領域と思っていた証しになる」としている。
海図は、旧日本海軍水路部が昭和10年に発行した海図162号「日本海西部」(24年改正版)。研究会が、同町の漁協、JFしまね西郷支所五箇出張所久見荷捌所で見つけた。
当時、現地で操業していた漁師、浜田正太郎さんが竹島に渡航した際に使ったものとみられ、海図には、鉛筆で浜田さんの居住地の同町久見と竹島を結ぶ線が引かれていた。また、目印にしたとみられる鳥取県大山方面に引かれた線もあった。
研究会は久見地区で聞き取り調査を行い、浜田さんらが昭和27、28年頃、リン鉱石採掘で竹島に渡航時に使用した海図と確認した。浜田さんは昭和初期、アシカ猟のため竹島に渡航し、16〜18年頃は肥料や化粧品に使うため竹島でリン鉱石を採掘していたという。
戦後の1951(昭和26)年、サンフランシスコ平和条約で竹島は日本の領土と認められたが、直後の1952(同27)年1月、韓国は李承晩ラインを設定し一方的に竹島を含む海域の主権を主張、竹島周辺の緊迫が高まるなか、浜田さんは昭和27、28年頃に竹島に複数回渡航していたとみられる。
研究会によると、李承晩ライン設定後も竹島周辺でしばらく日本人は操業したが、韓国による漁船の拿捕(だほ)や銃撃事件などが続き、昭和29年頃からは竹島に近づけない状態が続いている。
研究会は「海図の線の引き方などを見ても、竹島が隠岐の漁業の日常的な拠点だったことは明らか」と話す。県は、複製を松江市の竹島資料室で展示している。
【用語解説】李承晩ライン
1952(昭和27)年1月、当時の韓国の李承晩大統領が海洋主権宣言を行い、国際法に反してライン内側の水域への漁業管轄権を一方的に主張したもの。ライン内に竹島も取り込まれ、日本側は、李承晩ラインは公海上における違法な線引きであると主張。竹島の占拠は国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠と訴えている。
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