>27日に開幕する第13回世界陸上テグ大会の男子400メートルに、両足義足のスプリンター、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)が初出場する。出場資格問題を含めて4年越しの夢の舞台。パラリンピックで4つの金メダルを獲得している「ブレードランナー」の挑戦に、注目が集まっている。
■アテネ・北京パラリンピックで4つの金メダルを獲得
ピストリウスは、パラリピアンのスプリンターとしてはもっとも有名な選手のひとりだ。下肢切断クラスの100、200、400メートル(T44)の世界記録保持者であり、2008年北京パラリンピックでは同種目で優勝、3冠を達成している。
先天的にすねの骨がなく、生後11カ月で両ひざから下の切断手術を受けた。「自分のことを障害者だと思っていない。脚がないという違いがあるだけ」と話すピストリウスは、幼いころから運動能力が高く、テニスや水泳、ラグビーなどあらゆるスポーツで活躍。その後、ラグビーの練習中に故障した際に、リハビリの一環として取り組んだ陸上で開花すると、本格的に陸上を始めてわずか8カ月で04年アテネパラリンピックに出場した。
このアテネでは、若干17歳にして200メートル(T44)で金メダルを獲得して周囲を驚かせた。しかも、決勝に進出した8人の選手のうち、両足が義足なのはピストリウスのみ。本来のクラスの参加選手が少なかったため片足義足のクラスに入ったからなのだが、当時の世界新記録を更新しての優勝に、ライバルも観客も声を失った。
優勝タイムの21秒97は、健常者を含めて、当時の南アフリカ国内で10位以内に入る好記録。常に上の目標を持ち、自分を奮い立たせてきたピストリウスにとって、次の目標を“五輪出場”に置いたことは自然の流れだったのかもしれない。
ピストリウスが使用する義足はOSSUR社(本社:アイスランド)のスプリント競技用のものだ。カーボン繊維の層で作られた特殊な弾力構造で、衝撃を吸収しバネのように動くのが特徴。400メートルの場合、健常者は最速区間が前半にくるが、彼の走りは後半に向かって弾むように加速する。
もちろん、この義足を使ったからといって、誰もが速く走れるわけではない。ピストリウスの体幹、とくに股関節まわりは非常に発達している。この弾性とエネルギーを維持し続ける義足をコントロールすることは、並大抵の鍛錬ではできないことだ。
めざましい義足の進歩に、「義足が健常者よりも有利に働くのではないか」という議論も飛び出た。07年11月、国際陸上競技連盟(IAAF)はドイツでピストリウスと一般選手5人を集めてテストを実施。その研究調査の結果、ピストリウスはトップスピードに乗った後、健常者より約25パーセント少ないエネルギー消費でスピードが維持できると結論付けた。その後、IAAFはピストリウスの義足が規約で禁じる「競技力向上を手助けする人工装置」にあたるとして、IAAFのルールで開かれる一般の大会への出場を認めないと発表した。
この決定に対して、ピストリウスは「不正をしてまで健常者と戦うつもりはないし、もし本当に義足の優位性が証明されたときは、走ることをやめる。だがこの研究は不十分であり、現段階では納得できない」と、スポーツ仲裁裁判所(CAS)へ提訴。CASは08年5月、「この調査は義足の長所が出る区間のみを分析したもので不十分」として、IAAFの決定を無効とする判断を下した。これは、五輪への挑戦が許された瞬間だった。
■義足の弱点を克服して世界最高峰の舞台へ
結局、北京五輪の参加標準記録に届くタイムが出せず出場はできなかったが、前向きな気持ちは変わらなかった。義足には脚のような柔軟な調整能力がなく、スタート時の加速やカーブ、雨に濡れたトラックなどでは大幅に不利とされる。そうした課題を克服すべく、筋力トレーニングで肩と太ももを強化。より強い腕の振りと脚の動きでピッチを上げる練習を積み、北京パラリンピックでの快勝につなげた。
そして今年7月、世界陸上の参加標準記録を切って、出場切符を掴み取った。400メートルの今季ベストは45秒07。世界のトップは44秒台で勝負していることを考えれば、まずは予選突破を目指すことになりそうだ。
もしもピストリウスがメダルを獲ることになれば、再び義足の優位性などについての議論が再燃するだろう。そして今後、多くの選手が健常者レースの門戸をたたくきっかけになりそうだ。それはそれとして、ともかく、彼の努力がこうしたレベルにまで到達したことは揺るぎのない事実であり、賞賛に値する。まずは素直にエールを送りたいと思う。
ちなみに、IPC(国際パラリンピック委員会)のインタビューで、ピストリウスが「ともに出場したい」と話していた、視覚障害を持つスプリンターで北京パラリンピック100、200メートル(T13)の金メダリスト、ジェイソン・スミス(アイルランド)も代表に選ばれており、世界最速の男を決める100メートルに挑戦する。
厳密に問題なしと判断されない限りは
やっぱり義足は、健常者にとってはドーピングみたいなもので非常に不公平さを感じますね
健常者は健常者と比較すべきだし、
障害者は障害者と比較すべきでしょう
違うものは違う
それだけははっきりさせないと、本当に公平な勝負はできない
肉体のみで勝負できないなら、ダメだと思います
とても褒められた話ではない
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健常者を差別してはいけません。
失礼しました。